ケースその1・夕景写真
撮影時設定そのまま
夕景写真です。12月の晴天日に撮影したため、空は澄んでおり遠くのビル郡もハッキリと写し撮れました。地平線近くに薄雲が出ていますが、撮影条件は良好です。空の色や風景そのものの色合いは見た目に近いものになっています。(写真を900×600に拡大)
改善点と方向性
撮影条件がよかったため、このままでも写真としての質はそれほど問題はありません。しかし、せっかくなので空の色を補正してドラマチックな仕上げにし、ビルのシルエットを強調してメリハリをつけてみます。
処理内容
- 夕焼け空の赤みとマゼンタ(赤紫)を強調し、空を美しく仕上げる。
- コントラストと黒レベルを上げ、建物のシルエットを強調する。
- 適度にシャープネスをかけ、画像を引き締める。
今回はケース1ということで、色を調整するだけで仕上がりがかなり変わる作例を使ってみます。色彩に関するパラメータは弄り過ぎると作品を劣化させてしまう危険性もあるので補正はほどほどに。
1.夕焼け空の赤みとマゼンタ(赤紫)を強調し、空を美しく仕上げる。
夕焼け空をRAW現像する時によく使う方法なのですが、ホワイトバランスを5000K(ケルビン)付近に設定し、色合いをマゼンタに寄せる事によってトワイライトフィルターを使った時のような仕上がりになります。
- ①のボタンを押し、ホワイトバランス設定に切り替える。
- ②の色温度スライドバーを右へ。4964Kから5300Kに変更。
- ③の色偏差スライドバーを右へ。0から+15に変更。
調整後(調整後画像クリックで拡大)
⇒2.コントラストと黒レベルを上げ、建物のシルエットを強調する。
空に明るさが充分に残っているため、ビルが黒く潰れず階調が残っています。が、ここは敢えて明暗のメリハリを付け暗部を潰れ気味にしてみます。やり過ぎるとCGのようになってしまうので要注意。
- ①のボタンを押し、調子設定に切り替える。
- ②のコントラストスライドバーを右へ。1.50から1.80に変更。
- ③の黒レベルスライドバーを右へ。0から15に変更。
調整後(調整後画像クリックで拡大)
⇒3.適度にシャープネスをかけ、画像を引き締める。
最後の仕上げにシャープネスをかけ、画像を引き締めます。やり過ぎるとギザギザが発生してしまうので程ほどに。また、RAW現像作業中は画像を100%(等倍)表示せずにモニター内に収まるサイズで作業していると思いますが、シャープネスをかける時は必ず100%表示にして効果を確かめながら行ってください。
- ①のボタンを押し、シャープネス設定に切り替える。
- ②のシャープネスバーを右へ。13から20に変更。
完成
もともと良好な条件で撮影されたものなので、劇的な変化はさせないようにRAW現像を行ってみました。黒レベルとコントラストを上げてビルのシルエットにメリハリをつけるのは夕景では良く使う手法ですが、全体の明度が下がるため、暗部までしっかり写っている写真で行うのが鉄則です。(写真を900×600に拡大)