ケースその2・遠景夜景写真

撮影時設定そのまま

設定そのままの写真
設定そのままの写真

都内の展望フロアから都心のビル郡を望遠で撮影したものです。3月に撮影したものですが撮影条件は悪く、傾きと微妙なブレが生じています。写真としての完成度は厳しいものですが、補正である程度のレベルまで仕上げてみようと思います。(写真を900×600に拡大)

改善点と方向性

傾き補正および不要部分のトリミング(切り取り)を行い、黄色がかった色彩を都会らしいクールな青に仕上げてみます。また、ブレが発生しているので輪郭を強調してぼやけた写真を引き締めます。

処理内容

  1. 傾きを補正し、余計な部分を切り取って構図を安定させる。
  2. 青みとマゼンタ(赤紫)を強調する事によって黄色味と緑味を緩和させる。
  3. コントラストと黒レベルを上げ、画像を引き締める。
  4. シャープネスを上げ、画像を引き締めるとともにブレを緩和させる。

元の写真の完成度が低いので、思い切ったトリミングと色合いの補正によって作風を大きく変えてみます。ビル群を主役に据え、都会らしいクールな雰囲気を作ってみます。

1.傾きを補正し、余計な部分を切り取って構図を安定させる。

設定そのままの写真
トリミング

傾きを補正し、高層ビル群を主役に据えるためトリミングによって左側一部と上側一部を切り捨てます。

※RAW現像作業中は画像を100%(等倍)表示せずにモニター内に収まるサイズで作業していると思いますが、傾き補正をする際は必ず100%表示にして行ってください。縮小したままでは正確な傾き具合が把握できません。

  • ①の回転スライドバーを右へ。0から2.30に変更。
  • ②のメニューから操作モード→トリミング領域指定でトリミング。

調整後(調整後画像クリックで拡大)

調整前 ⇒ 調整後

2.青みとマゼンタ(赤紫)を強調する事によって黄色味と緑味を緩和させる。

操作パネル

全体的に黄色がかっているため、青みを強調し黄色を緩和します。また、色偏差をマゼンタ(赤紫)側に寄せる事によって緑味を緩和します。

  • ①のボタンを押し、ホワイトバランス設定に切り替える。
  • ②のホワイトバランスバーを左へ。5194Kから4000Kに変更。
  • ③の色偏差バーを右へ。5から12に変更。

調整後(調整後画像クリックで拡大)

調整前 ⇒ 調整後

3.コントラストと黒レベルを上げ、画像を引き締める。

操作パネル

空気の透明度がそれ程高くない日に撮影した上に望遠レンズでの撮影、ブレの発生という悪条件がそろっているので、コントラストを高めて引き締めてみます。また、手前側のビル郡が白っぽくなっているため、黒レベルを少し上げて夜の雰囲気をだしてみます。

  • ①のボタンを押し、調子設定に切り替える。
  • ②のコントラストスライドバーを右へ。1.50から1.70に変更。
  • ③の黒レベルスライドバーを右へ。0から5に変更。

調整後(調整後画像クリックで拡大)

調整前 ⇒ 調整後

4.シャープネスをかけ、画像を引き締める。

操作パネル

最後の仕上げにシャープネスをかけ、画像を引き締めます。やり過ぎるとギザギザが発生してしまうので程ほどに。また、RAW現像作業中は画像を100%(等倍)表示せずにモニター内に収まるサイズで作業していると思いますが、シャープネスをかける時は必ず100%表示にして効果を確かめながら行ってください。

  • ①のボタンを押し、シャープネス設定に切り替える。
  • ②のシャープネスバーを右へ。13から35に変更。

シャープネス35は夜景としてはかけ過ぎなのですが、今回はブレが生じているため画像の劣化を承知の上で強いシャープネスをかけました。

完成

RAW現像済み写真
RAW現像済み写真

元画像の完成レベルが低いため、補正をかけて見られるレベルまで回復させました。ブレている写真に強めのシャープネスをかけるのは常道ですが、画像の劣化も大きく、あまりお奨めはできません。やはり、撮影時にピントをしっかり合わせ、ブレを押さえるのが基本といえるでしょう。(写真を900×600に拡大)

2011年7月 掲載