手持ちで撮る

はじめに

三脚を持っておらず、カメラを固定できる手すりなどもない場合は手持ちで撮る事になります。ただ、この方法はどのような状況でも撮れる訳ではなく、場合によっては撮影を諦めざるを得ない時もあります。

あらゆる手段でブレを防ぐ

手持ちで撮る場合はシャッター速度と手ブレを特に気にしなければいけません。「夜景撮影の基礎」では広角側で1/30~1/40秒くらいのシャッター速度が必要と書きましたが、夜景でこのシャッター速度では充分な明るさを得るのは事の他大変です。できればもう少しシャッター速度を長くしたいのですが、これは手ブレの危険性と隣り合わせです。しかし、現在発売されているほとんどの機種に搭載されている手ブレ補正機構の力を借りつつ持ち方、撮り方を工夫する事によって1/20~1/8秒くらいまでシャッター速度を長くしてもブレを防止する事ができます。

ブレを防ぐ構え方

とにかく出来る事は全てやってみましょう!

  1. 脇を締める
  2. 体を預ける
  3. カメラを押し付ける
  4. 連射してみる

1.脇を締める

デジタルカメラでは液晶画面を見ながら撮影する性質上、腕を伸ばしてカメラを構える方も多いのですが、この構え方はバランスが悪く手ブレの原因になります。ファインダーが付いているタイプならばファインダーで構図を確認しながら、ない場合は前もって液晶で構図を確認しておき、シャッターを押す瞬間は脇を締めカメラを胸元に引き寄せて撮ってみましょう。撮った後構図が気に入らなければ再度撮り直せばよいのです。撮り直しのしやすいデジタルカメラの利点を利用しましょう。

2.体を預ける

カメラを構える時に撮影者自身も壁や木などに体を預ける事により安定性が増し、カメラブレを防止できます。

3.カメラを押し付ける

一番効果の高い方法です。丸みを帯びた手すりでも、近くの壁や木でも、カメラを押し付けて少しでもカメラがブレるのを防ぎましょう。

4.連射してみる

カメラがブレる危険が大きいのはシャッターを押す瞬間と離す瞬間です。よって、カメラを連射モードに設定し、同じ体勢のままシャッターを押しっぱなしにして何枚か同じ写真を撮る事によってブレを回避出来る場合があります。例えば3枚連射した場合、最初と最後はシャッター操作時にブレてしまったとしても2枚目はブレを防げている可能性が高くなります。

撮影時の設定は?

お持ちのカメラにAvモード(絞り優先AE)がある場合は、開放から1段(ダイアルを2or3回まわす)ほど絞ってあとはカメラ任せで撮ってみましょう。本当は2~3段絞りたいところなのですが、それではシャッター速度が長くなりすぎ、手ブレする危険性が増します。Avモードがない場合は夜景モードを使って撮ってみましょう。もちろん、フラッシュはオフで撮ります。ISO感度が設定できる場合はとりあえずは最低値に設定しておきましょう。

撮れた写真が暗かった時

撮れた写真が暗すぎる場合は適正になるように撮り直すのですが、三脚を使わないため、シャッター速度を長くする事ができません。よって明るさを得るためには以下の方法を使います。

  1. 絞りを開けて入る光の量を増やす
  2. 感度(ISO)を上げる

1.絞りを開けて入る光の量を増やす

絞り(F値)を任意で変えることの出来る機種のみです。しかし、絞りを開放にしてしまうと偽色(※)が発生するのである程度は絞って撮りたいところです。

※偽色とは被写体の周辺部に紫色のリング状のふちが現れることです。パープルフリンジとも言います。

2.ISO感度を上げる

ISO感度を上げれば全体にノイズが発生し画質が低下しますが、手ブレしたり光量不足の写真になるよりはマシです。最近のデジタルカメラはノイズの抑制技術が優れているため、古い機種よりは感度を上げる事に対する敷居は低いと言えます。

どの方法を使ってもじゅうぶんな明るさが得られない場合は残念ながら他に方法はありません。三脚を使うかカメラを固定できる場所を探すかしましょう。

手ブレ補正機構を活用する

シャッター速度1/4
作例.シャッター速度1/4

夜景撮影で光量を得るのは難しい事がお分かり頂けたと思います。そのため、手ブレ補正機構を利用してさらにシャッター速度を長く設定し、明るさを得られるようにしてみましょう。手ブレ補正機構の効力は機種によって若干異なりますが、コンパクト機のワイド側で1/8秒くらいまで粘る事ができます。作例の写真は手ブレ補正機構を使ってシャッター速度1/4秒、F4.5、ISO感度200で撮りましたが、ブレを抑える事ができています。(作例を800×600に拡大)

2010年5月 掲載/2014年12月 追記・更新